「人事・賞与評価」の実務を考える
「人事・賞与評価」の実務は非常に難しいものですが、その論点を整理してみましょう。
社員が、会社に望むことのひとつに、「仕事の結果に対する公正な評価と処遇」が挙げられます。
人事責任者が毎回神経をつかう人事評価の実務について考えてみましょう。
同じ部署内に、ほぼ同年齢の優秀な2人の社員がいたとします。
部門長は、昇給査定で両者の人事評価をA(5段階でトップ)としましたが、部門内の調整で、やむなく1人はBにしなければならなくなりました。
一般的に企業で行う評価には、昇給・昇格時の「人事評価」と、一定期間の成果を対象とする「賞与評価」があります。
いずれも、企業によりその方法は異なりますが、「絶対評価」と「相対評価」が基本になっています。
一次評価は、「絶対評価」が多く、評価調整が進むにつれ「相対評価」に近づけるのが一般的です。
評価にポイント制を採用している場合でも、最終的には標準分布の枠に入るので、「絶対評価」が、そのまま社員に反映することは難しいといえます。
経験の浅い管理者の場合、この評価の仕組みを理解していないために、自分がつけた部下の評価が、最終調整で不本意な結果になることがあります。
経験豊富な管理者の場合、評点にこだわるあまり、独自の評価基準とカンで査定しがちです。
そのため、管理者が部下に評価について納得のいく説明ができず、不信感につながることもあります。
自分の評価を知ることは、今後の仕事に対する取り組み姿勢に大きな影響を及ぼします。
人事部で、詳細な評価基準を定めても、実際に運用する管理者が適切な評価を行っていなければ意味を成さず、逆に支障をもたらす要因になります。
人事に関する規程や、業務のルールをつくることは、さほど難しい仕事ではありません。
それよりも既存の規程をどの職場でも正しく運用することが、実は大変難しいことなのです。
「人事評価」と「賞与評価」を混同したり、評価者が被評価者の好き嫌いで査定することがあってはいけません。
また、人事部が、声の大きい幹部の意見に従うのは、自分の仕事から逃げることと同じです。
社員は、常に上司や人事部の行動の一部始終を見ています。
人が、人を評価する以上、完璧な人事は理想の世界のなかでしか実現できないでしょう。
社員が、人事部に「基本軸にぶれのない公正な人事」を望むなら、
“その実現に向けた努力をし続けなければなりません”
「完璧な人事」と「現実の人事」の間で仕事をするジレンマは、どの経営幹部にも当てはまる宿命といえるかもしれません。
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